カテゴリ
全体 はじめに 50音順インデックス アキ・カウリスマキ作品 アジア映画 あ行 か行 さ行 た行 な行 は行 ま行 や行 ら行 わ行 数字 ++つぶやき++ 海外ドラマ(アメリカ) 海外ドラマ(韓国・中国) ★りんく★
■映画ブログランキング■
人気blogランキング ■映画監督のブログ■ ○「ブレス・レス」4/22公開 「渡辺寿 Breathlessな日々」by:渡辺寿監督 ■エキサイト以外のリンク■ ♪「Boooooo!ろぐ」by:こね丸さま ♪「愛すべき映画たち」by:micchiiさま ♪「I LOVE CINEMA +」by:lothさま ♪「風に吹かれて」by:chibisaruさま ♪「NUMB」by:linさま ♪完全無料ブロードバンド放送「GyaO」 フォロー中のブログ
最新のトラックバック
以前の記事
2007年 11月 2007年 04月 2006年 09月 2006年 07月 2006年 05月 2006年 04月 2006年 03月 2006年 02月 2006年 01月 2005年 11月 2005年 09月 2005年 08月 2005年 07月 2005年 06月 2005年 05月 2005年 04月 2005年 03月 2005年 02月 2005年 01月 2004年 12月 2004年 10月 ライフログ
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
2005年 09月 04日
<監督:>ラース・フォン・トリアー =2003年 デンマーク=
<出演:>ニコール・キッドマン、ポール・ベタニー、ローレン・バコール、ジェームズ・カーン ■ストーリー ロッキー山脈の麓に孤立する村ドッグヴィル。村人はわずか23人。 銃声音がかすかに響いた直後、ギャングに追われる美しい女性・グレースがドッグヴィルに現れる。小説家志望のトムは、助けを求めるグレースに、彼女を匿うことで村人達の他者への寛容さが築けると考え、村人達にグレースをかくまうことを提案した。その提案は、「2週間で彼女が村人全員に気に入られること」を条件に受け入れられ、グレースは、トムの計画に従って肉体労働を始め献身的な働きが徐々に村人に受け入れられてゆく。しかし、感謝祭に配られた二枚目の手配書によって、村人のグレースに対する扱いが変わってゆく・・・。 ネタバレしています。 R-15指定です。セットは白線でかかれただけの道、家、犬・・・。家には壁も天井もドアもなく必要最低限の家具だけが設置され、常にドッグヴィルの村人達が見渡せるようになっています。 映画というより、舞台に近く、また、プロローグと9章の章立てで各章冒頭にナレーションが入るため、説明的要素もあり小説を見ているような気分にもなりました。 全体を見て思ったことは「実験」でした。 トムのドッグヴィルに他者を受け入れるという実験。 グレースの許しの実験。 また、映画自体も特異な白線というセット、映画と舞台(または小説)の融合への実験。 ニコール・キッドマンが出ているというだけで、この映画に何の予備知識もなかったわたくしは、観終わったあとすごく衝撃を受けてしまい、数日間ドッグヴィル後遺症にさいなまれました。といってもこの映画が嫌いだったわけではありません。 3時間弱という長さは、最初に知っていたらしり込みしていたかもしれませんが、観終わると全然気になりませんでした。白線のセットもプロローグを終えた時点で既に気にならなくなりました。むしろ、壁もドアもない余計な物を排除したセットが、よりいっそう人間に目が向き、ドッグヴィルの住人を観察することができる点で、効果をあげていたと思います。 最初は追われている立場の女性に対して、関りをあまり持ちたくない、けれど弱い立場である人に対して冷酷にするのは人間性を問われてしまうので、相手に対して遠慮深く接し、けして悪い人間ではないんだよ、というのだけは一応見せておく。 女性が危害を加えるような人間ではないと分った時点で、安心しもう一歩進んで受け入れる姿勢を見せる。 二枚目の手配書から手のひらを返したように、弱者を徹底的に支配する村人達。 閉鎖的な村の心理というのもあるでしょうが、強者が弱者を支配するという点は、大なり小なりどこの世界でもあり得ることで、人間の本性をすごく考えさせられました。 共有の秘密を持っているということ、集団の均衡を保つ為とかなんとか理由付けをし、何があっても悪いのはグレースだと決め付けることによって、罪悪感を感じなくしていくところが、人間って・・・・と残酷に思いました。 首輪と錘もそうですが、首につけられたベルがとてもショッキングでした・・・。 家畜化扱いされ、男達からは毎晩レイプを受け、女達からは嫉妬心をむき出しにされ、子供達もグレースより強者なので、笑って意地悪をする・・・。 もう、死ぬまであんな仕打ちを受けるのは目に見えていました。 あのマゾッ気のあるクソガキもグレースを性的対象に見て、成長すればレイプしたでしょう。 そして、ママにはグレースが誘惑したといって泣くんです。ママはまた目を吊り上げてグレースをぶちのめすでしょう。目に見えています。 なぜ、あそこまでしてギャングのボスであるパパから逃げなくてはいけなかったのか。権力を使わないやり方を身をもって示したかったのでしょうが、右頬をぶたれたら左頬を差し出すみたいなやり方しかしていなかったように思います。一度逃げようとしたけど、けして村人と戦う姿勢を見せなかったグレースに、ちょっと疑問を感じました。 ラストでパパとグレースの会話の中に「傲慢」という言葉がたくさん出てきましたが、これも考えさせられました。 確かに、グレースは傲慢です。ドッグヴィルの中では弱者として扱われましたが、グレースは最初からドッグヴィルを貧しく環境が悪いから仕方がないんだと、見下ろして見ていました。 何の気なしに親切心から「手の荒れにはアロエが効くわよ」とリズに言い放っていた場面でもそれは見て取れます。ドッグヴィルの中では手の荒れなんか目立たなかったリズにしてみれば、綺麗な手をした女からいわれたことで、手の荒れを気にするようになったでしょう。リズは傲慢と受け取ったから、グレースが労働をさせられていた時に、「手が荒れたら治しかたを教えてあげるわよ」と言い返したのでしょう。 ラストは復讐と考えるとスッキリするのですが、こんな村はいらない村だ、消してしまえ、という権力を行使して浄化させてしまったことで、スッキリした自分がちょっと嫌な気持ちが残りました。 消すというのは、赤ん坊でさえ殺すということ。 強国がいらないと決めたらその国は滅びるという戦争のようなもの・・・。反米的姿勢といわれているということに対しては確かにラストでダブって見えました。 わたしがグレースなら、赤ん坊を除いて同じ方法で殺して復讐をすると思います。しかし・・・赤ん坊を殺した時点でグレースは復讐とは違う大国の権力を行使した気がしてしまうのです・・・・。 人気blogランキングへ
by tentententeko
| 2005-09-04 04:19
| た行
|
ファン申請 |
||